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社長が語る日本イオンの事業ドメイン

日本イオン株式会社の中島社長が、事業戦略について語った記事を紹介します。

日本イオン(株)の事業戦略 金属イオンによる殺菌ビジネス

著者:中小企業診断士 伊藤 弘一

1.オリゴダイナミー技術のパイオニア

皆さんは、「オリゴダイナミー」という言葉を聞いたことがあるだろうか? 「オリゴダイナミー」とは、水中に微量の金属イオンを添加して、水自体に殺菌作用を付加する技術のことだ。最近、銀イオンを添加した資生堂の消臭スプレー「Agプラス」や、シャープのAgイオンコート洗濯機がヒットしているが、これらの商品は、全て、この技術を利用している。

オリゴダイナミーは、近年の新技術と思われがちだが、実は、50年以上も前からこの技術を研究し、商品を生み出してきた会社がある。それが日本イオン株式会社だ。社員数が十数名の小さな会社であるが、大手メーカーの商品開発担当者の訪問が後を絶たない。日本イオンは、今や、オリゴダイナミーに関する情報発信基地になっている。

2.温浴施設への普及

東京都調布市にある日本イオン株式会社は、昭和29年に、先代の中島靖二氏によって設立された。日本の軍隊が戦地で水の中に銀を入れて殺菌しているのを見た靖二氏が、商品を開発し事業化したのだ。

水の殺菌方法としては、塩素殺菌が有名であるが、銀イオンによる殺菌は、塩素と比べて以下のような特徴を持つ。

●臭いが無い

皆さんは、プール等で鼻にツンとくる臭いをかいだ経験が無いだろうか。あれは殺菌のために使われている塩素の臭いであり、長時間臭いをかいでいると気分が悪くなる人もいる。一方、銀は無臭の金属であり、殺菌の際に嫌な臭いが発生しない。

●刺激が無い

塩素は、皮膚への刺激があり、肌が敏感な人はピリピリした感じになる。中には、肌荒れを起こし、肌がカサカサになってしまう人もいる。一方、銀は人体に対して無害であり、肌への刺激はまったく無い。

●殺菌効果の持続が容易

塩素は揮発性が高いので、高水温ではすぐに蒸発してしまう。したがって、殺菌効果を持続させるための濃度管理が難しい。一方、銀は、銀板に通電することによって一定のイオンを発生させる方式であり、安定した殺菌効果を維持できる。

●ランニングコストが安い

塩素は、頻繁に追加注入する必要があるため、面倒であり人手がかかる。一方、銀は、年に1回程度の銀板の交換さえしていれば、自動化運転が可能であり、人件費を含めたランニングコストが軽減される。

靖二氏は、こうした銀の特性を生かした「銀イオン殺菌装置」を開発した。特に維持管理の容易さやランニングコストの安さは、顧客のニーズに合致し、主に工事現場や工事等の集合温浴施設に徐々に採用されて行った。しかしながら、顧客の開拓は納入先の口コミが中心であり、実質的な営業活動はほとんど必要が無かったと語っていた。

昭和60年に、現社長の中島有二氏が社長に就任してから、日本イオンの本格的な成長が始まる。銀イオン殺菌装置を設備に組み込む濾過機メーカーとの提携や、全国の代理店の構築等、積極的にチャネルを整備し、企業の独身寮や、温泉旅館などを次々に開拓していった。また、製品面では、銀イオンから銅イオンに分野を広げ、「銅イオン殺藻装置」を開発した。露天風呂がブームになる中で、藻の繁殖を防止する本製品は、銀イオン殺菌装置と並ぶ当社の柱に成長した。

事業を拡大する中で、中島社長が最も苦労したことが、お客様から信用を獲得することだった。日本は、戦後、水俣病など、水銀による大きな中毒事件を経験してきたために、人々の間に、「水銀は怖い」というイメージが確立してしまった。もともと銀と水銀はまったく違う物質であるが、それを混同してしまう人が少なくないのだ。「『銀を水に溶かすと水銀になるのでしょ。』と言われたことは、これまで一度や二度ではない…」中島社長は苦笑する。

3.銀イオンと銅イオンの無限の可能性

銀に対する安全性が社会的に認知されてきたのは、ここ数年のことである。銀はようやく陽の目を見たのだ。銀や銅の殺菌効果を応用できる分野は実に広い。そのいくつかを紹介しよう。

●健康増進分野

●健康増進分野

銀はこれまで、殺菌というマイナスをゼロにするための手段として用いられてきた。しかし、銀イオン水は肌から僅かに浸透し血行を良くするという健康増進効果がある。日本イオンでは、銀のこのような効用がすでに知れ渡っている韓国で、こうした銀イオンのプラスイメージの効用を訴求した「銀イオン風呂」を展開し、評判を呼んでいる。日本でもこれから、スーパー銭湯などで韓国でブームとなった健康増進の「銀イオン風呂」を逆輸入し、新たなイベント風呂として提供することで、大きなビジネスになるだろう。


●介護分野

●介護分野

高齢化が進む中で、老人福祉施設の充実は社会的な要請である。こうした施設で最も重要なことは衛生管理であるが、銀は、この面において非常に役に立つ。肌が弱いお年寄りのための浴場への使用はもちろん、銀イオンを含浸させた布で身体を拭けば、頻繁に入浴できない方でも清潔さを保てるのだ。


●農業分野

●農業分野

雑菌対策は、農家にとって極めて関心の高いテーマである。近年、無農薬の作物がどんどん市場に広がっているが、実際には、こうした栽培方法は非常に難しい。最近、大阪府立農林技術センターは、銀イオンを水耕栽培のための培養液に溶かしておくことにより、優れた殺菌効果を保てるという発表をした。無農薬栽培を行いながら、根腐病や疫病に悩まされていた農家にとっては、まさに朗報である。


●保存分野

●保存分野

銀は、前述の通り、優れた殺菌防腐効果を有しながらも人体に対して全くの無害であるという特長を持つ。事実、銀は食品添加物に指定され、食品として銀箔で覆われた砂糖菓子や薬局で売られている「仁丹」などは日本人にはなじみが深いものだ。しかしながら、食品分野における可能性はそれだけにとどまらない。今後、期待できるのが食品保存分野だ。まずは、防腐剤の代用になる。また、食品の長期間の保存用に銀で内面がコートされた容器も開発されている。さらに、銀イオン水で食器を洗う食器洗浄機も、これから注目をあびる商品である。


●工業分野

●工業分野

金属の切削工場では、作業効率を上げるために切削液を使用する。この切削液は、長期間保存していると腐敗し、悪臭の源になる。このため、工場は残存している切削液を定期的に廃棄し、新しい切削液と交換している。銀や銅は、切削液の劣化防止に役に立つ。銀イオン水や銅イオン水が注入添加された切削液は、腐敗することが無いので、切削液がなくなるまで使用することができる。


4.日本イオンの経営戦略

日本イオンは、会社設立以来、銀や銅の安全性を認知してもらうことに腐心してきた。銅についてはその抗菌効果を大々的に研究し広報活動をしているが、銀イオン水については、中島社長が自ら「銀イオン活用協議会」を設立し、銀イオン抗菌の商材に携わる企業各社の調整役として活躍してきた。また、銀イオン殺菌ばかりでなく、広く浴場殺菌法の学際かつ実務的な見識を、誰にでも分かり易い語り口で講演することが評判となり、レジオネラ対策の講演も数え切れないほど行ってきた。

ようやくその苦労が報われるときがやってきた。冒頭書いたように、大手メーカーが銀の殺菌効果を利用した製品を次々に発売したことが契機になって、急速に社会的認知が進んだのである。

今、日本イオンは、多くの会社と新製品の共同開発を行っている。シャープのAgイオンコート洗濯機にしても、日本イオンの協力なくしては、製品化に至らなかったに違いない。共同開発の相手先にオリゴダイナミー技術に関しての適切なアドバイスし、時には、試作を作って提供する。中島社長は、こうしたコンサルティング的なビジネスモデルを模索している。

「自社で独自に画期的な商品を開発し、市場に投入した方が、事業として拡大できるのでは?」と私は中島社長に質問してみた。

「自分は根っからの技術者でアイデアマン。いろいろな会社の相談に乗って新商品を創造していくことは得意だが、金儲けは苦手かも…」と、微笑みながら答える中島社長の顔には、銀イオン技術の第一人者としての誇りと自信が感じられた。

著者:中小企業診断士 伊藤 弘一 2004年10月

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